視覚のあとに残るもの



nonnotte
“Domeuse Shirt”
“Draping Five-Tuck Wide Trousers”


nonnotte では3シーズン目となる、

シャドージャガードシリーズ。
シャドージャガードとは…

色、織り組織、そして光の反射までを設計に取り込み、
一見すると無地のように見えながら、
動きや光の角度によって柄が浮かび上がる技法である。

今回も nonnotte らしく、
先染めで丁寧に染め分けられている。

グレーの階調の中でわずかな差をつけ、
柄の浮かび上がりを繊細にコントロールする。

その細部にまで、素材と向き合う姿勢が表れている。

今回のシャドージャガードは、
これまでで最も「隠れている」ジャガードのように感じる。

遠目には、静かなグレー。


しかし生地へと視線を近づけると、
光の反射によって柄が静かに現れる。

その柄に込められているのは、
杉原氏のひとつの想像。


「千鳥格子の中にいる鳥が、もし生きていて、テキスタイルの上から自由に飛び立っていったら。」


規則的に並ぶ千鳥格子の中から、
鳥が少しずつ離れ、
自由に飛び立っていく。

着る人の身体が動くたび、
鳥は生地の中に現れ、
静かに姿を消す。


見え隠れする「意志」と、
どこか無邪気な「想像力」。

その二つが重なることで、
この生地には静かな色気が生まれている。

この生地には、
実際に手に取らなければ感じられない奥行きがある。


見る角度を変える。
光の中で動かしてみる。
そして、生地に触れる。


その過程ではじめて、
画面上では捉えきれない柄の存在や、
織りによって生まれる表情が少しずつ見えてくる。

触ってみなければ分からないこと。

本来、それはすべての洋服に共通する感覚だったはずである。


けれど...

SNSなどを通して洋服を見ることが当たり前になった今、
画面で見ることと、実際に手に取ることの境界は、
少しずつ曖昧になっている。

その曖昧さに違和感を覚える方にこそ、
一度この生地を手に取ってほしい。

そこには、視覚だけでは届かない、

nonnotte のものづくりが確かにある。


nonnotte / Domeuse Shirt
nonnotte / Draping Five-Tuck Wide Trousers


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