完成と未完成の余白

Maison Margiela
“5AC Loved to death east west medium”


Maison Margiela を代表するバッグとして、長く愛され続けている「5AC」。

フランス語でバッグを意味する “sac”。

その頭文字を、グラフィックとして “5” に置き換え、
名称として「再構築」したシリーズ。

クラシックなバッグの構造をベースにしながら、
どこか力の抜けたフォルム。

そして、ライニングパーツをあえて露出させるデザイン。


本来は内側に隠されるべきものを外へと引き出すことで、
完成されたものの見え方を少しずらしている。

そこには、
ブランドが長く表現してきた、
「再構築」の美学が静かに宿る。

今回紹介するアイテムは、その名の通り、
長い時間をかけて使い込まれたような表情を持つモデル。

“Loved to death = 死ぬほど愛している”
という言葉。

自然な色ムラや、柔らかなシワ感。

新品でありながら、
すでに時を重ねたような存在感を纏う。

傷が増えること。


色が変わること。

使う人の手によって、
少しずつ表情が変化していくこと。

それらを劣化ではなく、
完成に近づいていく過程として捉える。

このバッグには、
時間によって生まれる個体差までも、

価値として受け入れる、
Maison Margiela らしい視点が強く反映されている。

端正でありながら、
どこか未完成の余白を残している。

その余白があるからこそ、
使う人の時間が自然に入り込んでいく。


「長く愛されるためのバッグ」ではなく、

「長く愛されたように存在するバッグ」


このアイテム名は、
その佇まいを静かに言い表している。

Maison Margiela / 5AC Loved to death east west medium

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